本匠地区(旧本匠村)には、南海部の大河、番匠川の源流がある。その川を内懐に抱くように名もなき山々や清冽な渓谷や里山が調和的に時を刻んできた。その調和が崩れんばかりに里山だけが、今、息も絶え絶えである。その沈痛な声がそこに生を受け育まれた者達の心を否応なく衝いてくる。里山の消滅はこれらの者達にとってその存在証明を断ち切られることを意味する。大袈裟なことではない。切実な問題である。ふるさととは、そういう代替のきかない尊い場所なのである。この里山を未来に継承していく道を探したい。本匠振興組の原点である。

 その思いを言葉で伝えることは難しい。せめてふるさとの光景を紹介しその思いを共有してもらうことが出来ればこれ以上の幸いはない。

人は去り

道は絶え

子らは消え

山は荒れ

水は枯れ

そして神も去り

里山に昔の賑わいを取り戻すことは不可能なことではない。ここにはどこよりも素晴らしい自然環境が揃っている。それに気づくだけで一歩前進である。それが貴重な宝物だということに思い至れば成功したようなものだ。天空路はその可能性を拓くもっとも近道ではないだろうか。

本匠に天空路を拓きたい。天空路とはかつて先祖達の生活を支えた峠道や尾根道である。それが自然の中に里山とともに消え行っている。民俗遺産の消滅を意味する。その切ない思いが本匠振興組の原点にある。天空北路、天空南路、渓谷本路、渓谷山路、それぞれが里山を囲んで調和的に人々を迎え入れることが出来れば、ふるさとは未来へ命脈を繋いでいけるのではないか。それは佐伯地方全域に繋げて初めて成就することでもある。山間や入江には同じ道が消え行っているはずなのである。

かつての本匠地区の尾根道。

本匠地区の文化と地勢

四季を通じてそれぞれのルートを巡るイベント例。

本匠の四季の楽しみ方

それぞれのルートの歴史との繋がり。

ルート沿線の史跡名勝。

本匠振興組による当初の本匠地区・天空路開発プログラム 

本匠振興組による当初の本匠地区・天空路開発プログラムの行程案。

ルート2:椿山~冠岳(踏査済み)

ルート2:冠岳~楯ケ城山(踏査済み)

ルート2:楯ケ城山~石峠山(踏査済み)

ルート2:石峠山~佩楯山(踏査済み)

冠岳~楯ケ城山(順路の実態)

石峠山~佩楯山(順路の実態)

石峠山~佩楯山(順路の実態)